<報告>第5回JICA-JISNASフォーラム「持続可能な開発目標(SDGs)の取り組み -SDGsに貢献する農業分野人材の育成に向けて-」
平成28年12月16日(金)午後1時30分より、JICA横浜セミナールーム「かもめ」にて、第5回JICA-JISNASフォーラム「持続可能な開発目標(SDGs)の取り組み-SDGsに貢献する農業分野人材の育成に向けて-」が開催され、大学関係者、JICA職員のみならず、官公庁、民間企業等多くの方々にご参加いただきました。
話題提供では、SDGsの概要や各方面での取り組み等についてお話を伺い、SDGsに貢献できる農業分野人材の育成に関して議論を行いました。JICA、大学、行政、コンサルタント会社等それぞれの立場から様々な意見が出され、貴重な意見交換の場となりました。
その概要をご報告いたします。
プログラムの内容
1.話題提供 (1時間)
2015年9月に国連本部で開催された「国連持続可能な開発サミット」において「持続可能な開発のための2030アジェンダ」が採択されました。このアジェンダがミレニアム開発目標(MDGs)の後継であり、人間、地球および繁栄のための行動計画として、17の目標と169のターゲットからなる「持続可能な開発目標(SDGs)」です。
本フォーラムでは、SDGsを取り上げ、その概要、アジア諸国およびオランダにおける取り組みに加え、改定中であるJICAにおける農業開発・農村開発分野の課題別指針について話題提供をいただきました。◆【話題提供①】 塚本 直也 国連大学サステイナビリティ高等研究所(UNU-IAS)・プロジェクトディレクター
演題: 「ESDが果たすSDGsへの貢献について」
◆【話題提供②】 三次 啓都 国際協力機構(JICA)農村開発部・部長
演題: 「JICAの農業・農村開発の新しい指針と人材育成」
◆【話題提供③】 志和地 弘信 東京農業大学大学院農学研究科・委員長
演題: 「SDGsへの取り組み-農業教育におけるAAACU¹とSEARCA²の役割-」
※1.アジア農科系大学連合理事会 2.東南アジア農学系大学院学術研究地域センター大学コンソーシアム
◆【話題提供④】 Arjo Ruthuis Manager, International Cooperation Asia, Wageningen University and Research (WUR)
演題: 「ワーゲニンゲン大学におけるSDGsの取り組みについて」
2.総合討論 (1時間20分)
上記話題提供に基づき、仲田俊一 JICA国際協力専門員をモデレーターとして、SDGsの取り組みについての情報提供と問題提起を受けて、SDGsに貢献できるフォーマル教育・ノンフォーマル教育(人材育成、職業訓練等)における農業分野人材の育成に向けて、フォーマル教育の中でも専門領域の課題に関する研究のみならず、SDGsを背景とした包括的な視点を持つことによる研究意義の明確化、また、ノンフォーマル教育を含む様々な開発事業においてもSDGsに照らし合わせた背景への理解が求められていることに着目し、組織的に取り組んでいくための方策について、総合討論が行われました。
また、本フォーラムの総括として、世界に目を向けると、英国EU離脱、米国大統領の結果等国際情勢が変わる転換点である昨今、日本ではグローバル人材の育成が取り上げられており、これまでの研究・技術協力の枠を超えて国際協力へのニーズが高まっていると同時に、日本人が長年培った経験を具現化し体系化し共有していく組織的な取り組みが重要であることから、JISNASメンバーと、行政や民間企業等とのさらなる連携、交流を図り、今後もこのような機会を提供していきたいと考えています。
カテゴリ: JISNASの活動 |掲載日: 2017年3月17日