<報告>JISNAS-WURセッション開催「包括的バリューチェーン開発~産学共同研究における市場原理に基づくサプライチェーンの構築と小規模農家による付加価値の創出~」
2018年8月30日(木)-31日(金)に、JISNASとMOUを締結しておりますオランダのワーゲニンゲン大学研究センター(WUR)の100周年記念事業SDG Conferenceが行われ、サイドイベントにて、WURと合同でJISNAS-WURセッション「包括的バリューチェーン開発~産学共同研究における市場原理に基づくサプライチェーンの構築と小規模農家による付加価値の創出~」を開催し、JISNASのメンバーも出席し、現地WURの教職員や学生にご参加いただきました。その概要をご報告いたします。
日程
2018年8月31日(金)10:30〜12:00
会場
Room 5015, 5th Floor, Orion Building, Wageningen Campus
Target SDGs
■Goal Target 2.a:
国際協力の強化などを通じて、農村インフラ、農業研究・普及サービス、技術開発、および植物・家畜遺伝子バンクへの投資を拡大し、開発途上国、特に後発開発途上国における農業生産の強化を図る。
■Goal Target 9 :
強靭なインフラを整備し、包摂的で持続可能な産業化を推進するとともに、技術革新の拡大を図る。
プログラム1: 口頭セッション(10:30〜11:40)
アフリカでバリューチェーンを構築する試みは数多くありますが、大部分の小規模農家は後に続いているのか、バリューチェーンの発展は小規模農家にとってどのように有益なものになるのか、について議論を行いました。産学共同連携による市場動向を重視したサプライチェーンの開発に関する下記4つのテーマが日本とオランダより提供されました。
議長:
○伊藤圭介 国際協力機構(JICA)農村開発部・課長(JISNAS人材育成分科会委員)
○中島千晴 三重大学・教授(JISNAS国際研究分科会幹事)
セッション:
■開会挨拶:緒方一夫 九州大学・教授(JISNAS運営委員長)
■1. 相川二郎 JICA農村開発部・国際協力専門員
「アフリカにおける革新的な普及手法としてのSHEPアプローチの導入」
■2. JUR Verstegen WUR上級研究員
後藤和久 WUR客員研究員/農研機構(NARO)
「市場主導のサプライチェーンにおける農民のパートナーシップの強化:バリューチェーンのダイナミクスを評価する代替評価手法」
■3. 吉橋 忠 国際農林水産業研究センター(JIRCAS)上級研究員
「付加価値技術とその応用システム」
■4. 坂田洋一 東京農業大学・教授
「東京農業大学の農業普及活動;乾燥地の緑化からアフリカの栄養改善まで」
要旨集:
下記プログラムをご参照下さい。
■Program book_180831
プログラム2: パネルディスカッション(11:40〜12:00)
4題の話題提供を受け、ヨーロッパ、アジア、アフリカ、ラテンアメリカと国際機関や世界各地から参加した研究者とともに、途上国における包括的バリューチェーンの開発方法と農業普及サービスの役割に関して議論が行われました。
モデレーター:
○浅沼修一 IITA理事/JICA国際協力専門員(JISNAS国際協力分科会幹事)
○Arjo Rothuis WURアジア担当マネージャー
パネリスト:
○JUR Verstegen WUR上級研究員
○後藤和久 WUR客員研究員/農研機構(NARO)
○江原宏 名古屋大学・教授(JISNAS事務局長)
まとめ
JISNASでは、アジアにおける農業研究と高等教育における国際協力を強化することを目的としてオランダのワーゲニンゲン大学研究センター(WUR)とMOUを締結したことを機に、オランダでの国際セッション実施にいたりました。WURの教職員、学生等にもお集まりいただき、約50名の皆さまにご参加いただきましたことを御礼申し上げます。
オランダと日本それぞれのバリューチェーンの発展、農業普及へのアプローチの手法を通じて、今後、アフリカやアジア等にて産学共同連携による市場主導のサプライチェーンの開発に向け協力して進めてまいります。
実施にあたり、WUR、NARO、JIRCAS、JICA、JISNASメンバー大学の関係者の皆さまに多大なるご協力いただきましたことを感謝申し上げます。
カテゴリ: JISNASの活動 |掲載日: 2019年1月23日