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<報告>第7回JICA-JISNASフォーラム「産官学協働による農林水産分野途上国人材育成について~JICA開発大学院連携における農林水産分野の日本の開発経験とは~」

平成30年12月14日(金)午後1時30分より、JICA研究所にて、第7回JICA-JISNASフォーラム「産官学協働による農林水産分野途上国人材育成について~JICA開発大学院連携における農林水産分野の日本の開発経験とは~」が開催され、大学関係者、JICA職員のみならず、民間企業等多くの方々にご参加いただきました。
 話題提供では、JICA・大学双方より、第一部では産学官協働による途上国農業開発農林水産分野での途上国への国際協力や人材育成の動向や大学での取り組み等について、第二部では日本の開発経験を通じた人材育成の取組み等についてお話を伺い、夫々パネルディスカッションにて議論を行いました。JICA、大学、行政、コンサルタント会社等それぞれの立場から様々な意見が出され、貴重な意見交換の場となりました。 その概要をご報告いたします。

プログラムの内容

<第一部> 産官学協働による途上国農業開発・人材育成への協力

JICAは、JICA開発大学院連携構想の下、農林水産分野における途上国人材育成計画(2020-2030)を策定中であり、同計画では、我が国ODAの事業戦略や協力イニシアティブと留学生事業とのシナジー効果を生むべく、6つの優先プログラム(①農業・農村開発政策立案能力向上、②アジア・アフリカ地域持続的な農業生産振興、③アジア・アフリカOne Health強化、④水産開発・海洋資源管理、⑤フードバリューチェーン、⑥自然資源管理)を設定の上、年間約100名、10年間で約1,000名の留学生受入を目指す予定であり、本計画案の概要について、また、大学でのJICAとの連携の事例についての話題提供の後、途上国人材育成への取組みが、日本企業の海外事業展開や日本国内の課題解決にも繋がるよう、産官学の協力・連携について意見交換を行い、議論を深めました。

1.JICA宍戸部長_IMG_0210.JPG
講演1.宍戸部長
2.東農大志和地先生_IMG_0228.JPG
講演2.志和地先生
3.パネルディスカッション1_IMG_0239.JPG
第一部ディスカッション

【講演①】 宍戸 健一   JICA農村開発部 部長

 演題:「JICA開発大学院連携・農林水産分野途上国人材育成計画案について」

【講演②】 志和地 弘信   東京農業大学 常任理事

 演題:「東京農業大学大学院とJICAとの連携」

【パネルディスカッション】

パネリスト

 篠崎 聡    株式会社前川総合研究所 代表取締役社長

 天野 敏也   伊藤忠商事株式会社 油脂・穀物製品部長

 山内 章    名古屋大学農学国際教育研究センター センター長

 志和地 弘信  東京農業大学 常任理事

 宍戸 健一   JICA農村開発部 部長

モデレーター

 山田 英也   JICA上級審議役

<第二部> 「農林水産分野における日本及びアジアの開発経験」~途上国に伝えたい日本及びアジアの開発経験とは?~

第一部での農林水産分野における途上国人材育成計画案、JICA開発大学院連携参加大学の事例等を受けて、農林水産分野においてこれまで日本が培ってきた開発経験を、刻々と変化する国際社会の中で、途上国と日本との持続的に強固な関係を築くことができるリーダーを育成するプログラムの形成に向けて、また、日本の開発経験の講義に関する大学での取り組みついての話題提供の後、日本の研究者が共通の認識を持って、途上国留学生に伝えるべき「農林水産分野における日本及びアジアの開発経験」について議論を深めました。

4.JICA伊藤課長_IMG_0271.JPG
講演3.伊藤課長
5.九大廣政先生_IMG_0274.JPG
講演4.廣政先生
6.パネルディスカッション2_IMG_0283.JPG
第二部ディスカッション

【講演③】 伊藤 圭介  JICA農村開発部 課長

 演題:農林水産分野における日本の開発経験~共通講義モジュール・プログラムの形成に向けて~

【講演④】 廣政 恭明  九州大学大学院農学研究院 准教授

 演題:「農林水産分野における日本の開発経験」講義に関する九州大学の取組み

【パネルディスカッション】

パネリスト

 板垣 啓四郎 東京農業大学第三高等学校 学校長

 廣政 恭明  九州大学大学院農学研究院 准教授

 小山 修    国際農林水産業研究センター(JIRCAS) 理事

 伊藤 圭介  JICA農村開発部 課長

モデレーター

 浅沼 修一   JICA国際協力専門員

総括

7.参加者の様子1_IMG_0225.JPG2015年に制定された開発協力大綱により、国際協力の在り方がここ数年で大きく変化しており、日本と途上国が共存、共栄し、日本全体がさらなる活性化するために開発協力していく方向に変化してきている昨今、産官学が連携して取り組むべき課題が増えていくと考えられます。
 産官学の連携は、学問と学術・技術・ビジネスという3つのカテゴリーがSDGsの下、一本でまとめられるということであり、SDGsの取り組みは、国際協力分野だけでなく、各機関の評価の部分でにおいても今後さらに重要視されることになると考えられます。
 留学生事業は、日本にとって貴重な人材である留学生を海外展開、海外からの受入の際の架け橋として重視し、産官学ともに貴重なリソースとして、途上国との堅固な関係を築く重要な役割として位置づけ、期待をしています。
 また、日本がかつて直面してきた開発経験を途上国に伝えて行くノウハウについても共通認識を以って議論していくことが重要と考えます。
 ご講演やパネルディスカッションにて参加者の皆様と意見交換の場が持てました事、大変感謝いたしております。JISNASメンバーと、行政や民間企業等とのさらなる連携、交流を図り、JICAにも協力いただきながら今後もこのような機会を提供していきたいと考えています。


カテゴリ: JISNASの活動 |掲載日: 2000年3月11日