<報告>第15回農学知的支援ネットワーク(JISNAS)総会
令和5年12月11日(月)に第15回(令和5年度)農学知的支援ネットワーク(JISNAS)総会を開催いたしました。昨年度に引き続き対面とオンラインでのハイブリッドでの開催となりました。その概要を報告いたします。
審議・報告事項
下記について審議および報告を行った。
1.令和5(2023)年度事業報告および令和5(2024)年度事業計画
2.令和6(2024)年度総会の開催時期と開催地
1.令和5(2023)年度事業報告および令和6(2024)年度事業計画
(1)執行部
■農学系学部長会議でのJISNAS活動報告(春・秋):
第148回(6月)、第149回(10月)に農学系学部長会議が開催され、その際にJISNASの活動の報告を行った。
■FAO(国連食糧農業機関) との連携(JISNAS-FAO合同セミナーの実施):
◇JISNAS-FAO合同セミナーの実施
FAO駐日連絡事務所と合同で定期的に開催しており、本年度は下記実施をした。今後も、世界規模の農林水産業や環境の問題について広く情報共有を図るため、定期的に実施していきたい。
<講演者>
○第6回:「『気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第6次評価報告書(2023.3)』を食料システムの観点から紐解く」(2023年6月2日)
・インカール・カディルジャノヴァ 氏(FAO気候変動・生物多様性・環境部 上級天然資源担当官)
・長谷川 利拡 氏(農研機構 農業環境研究部門・エグゼクティブリサーチャー、IPCC AR6 WG2 第5章「食料、繊維及びその他の生態系産物」 統括執筆責任者)
○第7回:「FAOで活躍する日本人職員と話す―FAOの最新の動向及び国連でのキャリア形成について」(2023年11月27日)
・田口 真樹子 氏(FAO植物生産・防疫部 農業専門官)
・萩原 雄行 氏(FAOインド国別事務所長)
◇ベス・ベクトル事務局次長来日時のJISNAS活動の紹介(名古屋大学:2023年11月15日)
■グリーンアジアプロジェクトの一環である「技術カタログ」取りまとめの協力:
農林水産省は、2022年度より「みどりの食料システム基盤農業技術のアジアモンスーン地域応用促進事業」を開始し、同事業を国際農林水産業研究センター(国際農研)が「グリーンアジアプロジェクト」の名称で実施しており、その活動の一環として国際農研は関係機関との協力のもと、2023年3月に「アジアモンスーン地域の生産力向上と持続性の両立に資する技術カタログ(以下「技術カタログ」という。)」Ver.1.0を、同年9月にVer.2.0を作成した。この度、技術カタログVer.3.0の作成に向けて、大学で確立した技術(国内の大学が確立した技術あるいは大学が国際共同研究により確立した技術)についての掲載についてJISNASに協力依頼があり、会員の皆様へHPにて案内(http://www.jisnas.com/report/710.html)を行った。昨年度に提供いただいた技術と併せて、技術カタログ作成に向けて進めていく予定である。
(2)セミナー・シンポジウム分科会
■JICA-JISNASシンポジウム2023[R5.12.11]の実施:
総会に引き続きハイブリッドで開催した。本年度は「ODA大綱における国際頭脳循環への取り組み」をテーマに、6月9日に8年ぶりに改定されタODA大綱の改定のポイントについて理解を深めるとともに、開発協力における大学・研究機関等との共創として挙げられている「国際頭脳循環」に焦点を当て、先進事例の共有を通じて課題を抽出し今後の展望について議論を展開した。
(3)雑誌分科会
■学術雑誌「農学国際協力Vol.22」の編集経過:
年度末に発行予定で、ワーキングペーパーを1報査読中。巻頭言は著者検討次第、執筆依頼する。
■J-Stageの搭載内容について、搭載記事の認証アイコンについて:
Vol.21よりJICA研修報告も掲載することとした。また、現在は閲覧制限をしていない「認証なし(フリー)」となっている。CC(クリエイティブ・コモンズ)ライセンスなど、二次利用ライセンスの付与について、ご意見等ありましたら事務局宛ご一報いただきたい。
(4)国際協力分科会
■スリランカ農業研究会・勉強会の開催:
ジャフナ大学農学部による乾燥地域農業の教育・研究能力向上プロジェクト(技術協力)」の一環として、専門家との情報収集や意見交換の場となる研究会を企画しオンライン開催している。本年度は下記実施した。
○第3回:2023年7月18日
JICA長期専門家として赴任中の緒方一夫先生(九州大学名誉成就)、宇佐見晃一先生(名古屋大学名誉教授)に「スリランカ北部の農業:JICA専門家の見た現状」と題し講演いただいた。
※2024年1月にスリランカ北部における獣医畜産関連をテーマに第4回勉強会を開催予定
■スリランカに対するJICA技術協力への協力:
「ジャフナ大学農学部による乾燥地域農業の教育・研究能力向上プロジェクト(PRECIDA-UOJ)」について進捗状況と次年度の活動予定について説明があった。計画フェーズから実施フェーズとなり、継続的な現地活動記録の関係者への共有、2023年9月には国内支援委員による現地での運営指導調査、また準高級レベル本邦研修、長期研修員(留学生)の受入れの支援等を行っている。
(5)国際研究分科会
■JISNASの下記活動の支援
スリランカ・ジャフナ大学研究能力向上に関する活動、ナイジェリアでのSATREPS立ち上げの検討、アジアモンスーン地域に向けた技術カタログ作成への情報提供 等
■分科会委員の活動についての紹介
(6)人材育成分科会
■2023 年度 JICA 課題別研修「アフリカ地域稲作振興のための中核的農学研究者の育成」 [2023.6.30-8.10] 来日研修の実施:
第4フェーズの3年目となり、6ヶ国8名の研修員が参加。本研修の実施期間に研修員の交流や日本人研究者との連携強化に向けた機会として、研修員の研究力の向上とキャリアアップの支援、日アフリカ諸国間の研究交流に結びつくことを期待する。
■HP等での人材募集等情報の周知:
・公募情報 7件(農林水産省、JICA、UNIC、九州大学)
・キャリアセミナー情報 12件(JICA、FAO、ECFA、AFICS-J)
2.2023年度総会の開催時期と開催地
本年度と同時期位で、後日提案予定である。
3. その他
■国際農林水産業研究センターより:
「アジアモンスーン地域の生産力向上と持続性の両立に資する技術カタログ(以下「技術カタログ」という)」Ver.3.0の作成に向けた協力依頼について補足説明があった。
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本件についてご質問等ございましたら、JISNAS事務局までご照会ください。
ご質問、お問合せ
農学知的支援ネットワーク(JISNAS)事務局
E-mail: jisnas@agr.nagoya-u.ac.jp
Web: http://jisnas.com/
カテゴリ: JISNASの活動 |掲載日: 2024年4月 1日